その1
1日目・二見シーパラダイス

02.09.29.up

今回、最も期待を寄せていた目的地、それが二見シーパラダイスである。
水族館施設としては小規模ながら、せいうちを飼育していることはもちろん、
「ふれあい水族館」との触れ込みのとおり、最大のウリは
直接にせいうちやあざらしに触ることができるというところである。
せいうちに触れるのは、国内ではたぶんここだけではないだろうか。
さてさて、せいうちの体ってどんなでしょうか?
カタイのか?ヤワイのか?ゴワゴワしてるのか??
期待に胸ときめかせながら、旅行第1日目の始まりである。


横浜から東名高速→東名阪高速→伊勢自動車道
→伊勢二見鳥羽ラインと乗継いで走ること450km。
夜明前に出発した甲斐あって、渋滞にもあわずに約5時間で到着。
脇目もふらずにやって来ました。二見シーパラダイス!
駐車場に車を止めると、大きな大きな
せいうちくんのポスターが出迎えてくれました。
このせいうちへの入れこみようを見れば、
いやが応にも、期待が高まるというもの。
いざ! しゅっぱーつ!!


どかーん! と、いきなり登場のせいうちくん×2。
こういう状況になったのは、10:45に到着したばかりなのに
11:00から1回目のせいうちショーがあるとのことで、
全ての展示を無視して、一目散に会場へ・・・。
とは言っても、ここ二見シーパラは駐車場と同程度の敷地しかなく、
焦る必要もなく、瞬時に海獣広場に到着。
それでも、親子連れにいい場所を取られてなるものかっ!
との意気込みで、とりあえずまん中付近の好位置をキープした。
そして、いよいよ始まった「せいうちのコミックショー」。
その冒頭の入場直後が上の写真だ。
いやー、近くで見るせいうちは、やっぱりでっかいなぁー。

はーい、まずはみなさんにご挨拶でーす。
さ、どうぞ。

う・・・う゛お゛ーーん

なんじゃ、そりゃ?
挨拶に続いては、元気なウッチーくんとウーボーくんのショーの開始でーす。
はい、みなさん拍手ー。(左)
ぱちぱちぱちぱち・・・。
ウーボーくんは、お得意の投げキッスでーす!(右)
「しゅポン!しゅポン!しゅポン!」
あははは、ほんとにシュポンって音を出すんだね(笑)。

ウッチーくんとウーボーくんが、近くに行きましたら
体に触ってみてくださーい。
お、待ってました! 触っていいんだなっ?!
さーこい、さーこい!

こっちにウーボーくんが来た!
んじゃ、失礼して・・・と。  むぎゅ。
おぅおぅおぉーう!
ちょっと予想をくつがえす感触!
遠目には、象のような硬いゴワゴワした皮膚を想像していたが、
どっこいこいつは、柔かいぞ。
というよりも、1〜2mmくらいの短くて柔かい毛がびっしりと生えているのだ。
水の切れも良いらしく、思ったより乾いていて温かである。
肉の感触は・・・。 人間の背中に近い・・・かな?
ちょうど、体格のいい友達の背中をバシバシ叩いたときの感覚。
あぁ、感動であーる。 せいうちに触れるなんて!

ぜひ、こんな風に頭やおひげにも
触ってみてくださーい。とな?
いやぁ、ここのせいうちくんは
おとなしくていい子だねえ。

ちなみに、瞳が白い方がウッチーくんで、
茶色い方がウーボーくんです。
不思議なことに、ウッチーくんの瞳は
ぜーんぶまっ白いんだよ。
白内障とは違うだろうが。


それじゃ、ちょっとごめんね・・・。
おおお!(さっきから驚きの連続ばかりだが)おーおーおー!!
せいうちのひげはプラスチックだ?!(嘘)
でも感触は本当にそんな感じで、ゴワゴワと言うよりも「バリバリのびよーん」である。
もっとわかりやすく例えれば、スパゲッティの乾麺だ。
しかも径1.7mmで茹で時間が11分かかるような太麺の。

ウッチーくんは、やさしいね。
小さい子にも怖がらないように頭を向けて
「ほーら、さわってごらん?」

ウーボーくんは、目の前でいきなり
「こりゃまいったねーどうも、ぺし。」
という芸をしてくれました。あはは、ぺし。

はい、そのとおりですよ。
せいうちが感染しないように、消毒液を撒いたからね。

コミックショーのクライマックス!
せいうちくんからのプレゼント〜限定1名様(ただし、美人のおねえさんに限る)
貴女は両側から迫るスパゲッティに耐えられるか・・・?!
ぶちゅー。 ダブルキッスだー!! ぶちゅー。
きゃーーーーーーーーーっ!

「一緒に記念写真を撮ろうよ。」

「お、なんだ?おまえもせいうちか?」


・・・ということで、ウーボーくんとのせいうちツーショット。
たくさんのお客さんの中でも、肩を組んでの写真は私・きゅうきゅうだけでした。
なんでみんな怖がるのかなぁ。こんなにおとなしいのに。
ウーボーくんも、しっかりカメラ目線になってます。はい。



こちらは、ウッチーくんとの写真。
ウッチーくんが頬摺りしてくりました。
うへへ・・・。
よっ、元気?! ばしばし。
飼育担当のお兄さんもタジタジ?
よっぱらいオヤジの
「もう一軒いこー、もう一軒」
に似てなくもないぞ。 ばしばし。
えー、もう帰っちゃうの?
惜しまれながらの退場。
後鰭も使って、器用に歩いてますね。


ウーボー&ウッチー代わり登場したのは
元気な男の子、たいようくん!
かーわいー!!
まだ1歳ちょっとのこきゅう(子供せいうち)なので、牙もまだないのだ。

こきゅうのくせに、ちゃんと同じ芸を?!
はーい、たいようくんの投げキッスでーす。
「きゅぽん!きゅぽん!」
あははは!音もかわいいぞ!

「ねぇねぇ、おさかなちょうだい?」
おねえさんにおねだりしてみました。
やっぱり甘えん坊みたい。


「いえーい! また来てねー!」
一生懸命に手(鰭?)を振ってくれました。
∩型の口が、がんばってる様子を表してますね。
キミは100点です!



ふー。 ショーも終って、一休み・・・と。
プールに戻ったたいようくんは、なぜか立泳ぎの
姿勢のまま、のんびり・ぷかぷかしていました。
よく見ると、目を閉じてうとうとしているみたい。
ちなみに、この姿勢で浮いているせいうちを
見るのは、まったく初めてですな?
そーっとアクリル越しにカメラを近づけると
目を開けてこっちを見てくれました。

「はっ、寝てました。」

いいんだよ、そのまま寝てて。
授業中じゃないんだから。


こちらは、ひまわりちゃん。
小さな女の子です。
たいようくんよりも、ちょっと若いのかな?
眉間にシワをよせて、悲しそうな顔で
プルプルと震えているのは、
はぐれたママの夢を見ているのか・・・。
鰭をちぅちぅと吸いながら眠っています。
まだまだ赤ちゃんなんだ。



くかー。

やっと、寂しい夢から開放されたみたい。
くーくーと寝息が聞こえてきそうな
無防備な寝姿だね。
お客さんも、そーっと、そーっと。
こちらでは、ウッチーくんがすーいすーい。
せいうちの息継ぎって、豪快だなぁ。
ぶしゅーって、ぶしゅーって。
背泳ぎみたいな格好になったときに、
水面から鼻と口だけ出して呼吸をするのだな。
(奥の子供プールでは、たいようくんがぷかぷかしてるし
ひまわりちゃんも相変わらず寝てるし・・・)

せいうちショーに続いては、ミナミゾウアザラシのステージです。
ここ二見には、通称「あかんべぇアザラシ」との呼び名どおり
あかんべぇをするミナミゾウアザラシがいます。
(もちろん、触ることもできますよ)
上の写真は、桜子ちゃんです。

ミナミゾウアザラシは、非常に体が柔かいので
こーんなに反っても、だいじょうぶ。
力むと小さい尻尾が立つのだね。ぴょこ。

バケツの中のものをおねだりギョ。
中身は、アジとかシシャモとかの
おいしいおサカナでしょ?

こちらは、ちょっとお姉さんの丸子ちゃん。
ナゼか色っぽい横座り・・・。


喜色満面(はぁと)。
それにしても、でかい目ん玉だぁね?


つぎのショーまでの時間、ゴマフアザラシを見てましょか。
プールに近づくと、あざらしくんも寄ってきた。
「ショーはまだだよ・・・?」
と言いたげな、眠そうな目がなんとも・・・のんきだね。

それではお待ちかね。ゴマちゃんタイムのはじまりはじまりー。
まずはご挨拶。 はい、おじぎー。
向って左がエリくん、右がワインちゃんでーす。

はい皆さん、拍手、拍手ー。

ぱちぱちぱちぱち。

びちびちびちびち。
最初は、エリくんの輪くぐりでーす。
「んじゃ、行くか。」

水中で助走(泳?)をつけて、えいっ。
どぼーん。
・・・って、ジャンプしたっちゅうよりも
輪っかでアザラシをすくったような・・・。

なに?
「細かいことは、気にするな」てか?
 ・・・まあ、いいけど。
「次は、ちゃんとキメるぜ!」
エリくん今度はフリスビーキャッチに挑戦。
犬にできてアザラシにできないこたぁナイ!
「はぐっ。 おりゃー、どうでいっ?!」
はいはい。ナイスキャッチですよ。
え、それだけですか?


「まったく、エリはしょうがないわね。」
と、登場はワインちゃん。
「ここは私が、芸術を魅せてあげるわ。」
ぷっぷかぷーー。
ハーモニカは素晴らしい・・・ですが・・・、
鼻息で吹いてませんか。
「んふー。」
「以上、ショーはおしまい!
・・・え、そんだけかって? むー、ナマイキな。
ちょっと脅かしたろぅか? えーい!」

うわっ、本当に驚いた。


ワインちゃんです。
ぽにゅぽにゅしてて、かわいいな!
陸にあがったあざらしって、前から見ると大福みたいなシルエットだね。
ってことは、これはゴマ大福?
白いのは雪見大福・・・だな。

ワインちゃんの横顔。
わりと端整な顔立ちをしています。
そうそう、あざらしだから耳たぶがないでしょ?

おまたせの、ふれあいタイム。
一列に並んでね。(こらっ、後ろから触るな!)

「もきゅ?なんかくれるの?」
いや、あげないんだけど・・・。
ごめんして、背中にそっとタッチ。
むにゅぅ。
おー、柔かい。テンダネース!
せいうちよりも、むにゅむにゅ。
気持ちいい感触ぅ。

かわりに、飼育のお姉さんから
シシャモをもらったぎょ。
「あーん。」
おおっ、首が伸びたぞ?!



モデルさーん、こっちに目線くださーい。
白目のない茶色の瞳がきれいですね、おぜうさん。

ぷかぷかゴマフ。
ワインちゃんとチーズちゃんの
なかよし姉妹です。

あざらしの前鰭。
体型に似合わぬ鋭い爪がついている。
氷をかくためにあるんだけどね。

ぐったり。
死んでいる訳じゃありません。 念のため。



一日シカトされ続けて、イルカが
いじけてるので、ちょっとだけ
ボールで遊んであげた。
こう見ると、イルカもかわいい。が、
やっぱりせいうち・あざらしが・・・(後略)

そして写真も1枚だけ。







あっいうまに時は過ぎてもう夕方、名残りを惜しみつつもシーパラを後に。
お土産(もちろん自分用)には、なにかグッズを・・・と探し、決定した品々がこれ。
左は、せいうちの絵があるだけなんだけど、その意気(?)に感じて購入。
中身は、チョコを塗った一口サイズのケーキでした。
右上は、あかんべぇアザラシのストラップマスコット。
ビーズのストラップ部分は外して、単体で取付けてます。なかなか好評。
右下は、希少なせいうち&あざらし親子ピンズ。

せっかく伊勢まで来たのだから と、伊勢神宮参り。
ついでと言っちまうと失礼なんですが、あくまでも今回の旅の目的は
せいうち探訪であって、もともと他に目的はナイ。
だから、無計画にお参り。 これからもせいうちと仲良くできますよーに。
さらについでに、内宮の参道で伊勢うどんを食す。
実は、伊勢うどんは初めていただきました。
汁がない(ないわけではないが、タレというのが近い)のに、びっくり。
でも、みたらし団子みたいでおいしい。

しかし、ここで無計画さが裏目に。
伊勢名物と言えば、赤福。 赤福本店で「赤福氷」なる幟を見つけたが、
夕刻であったために先にお参りをしたのがウンのつき。
戻ってきたときには、ちょうど閉店した直後であった・・・。
うきー、赤福氷!あかふくこおりー!くわせろぉー!
悲しみの叫び声とともに、日は暮れていった。

夜は、職場提携の保養施設(のようなホテル)に宿泊。
グルメプランなるものを予約しておいたら、
伊勢エビがまるまる出てきた! サザエの刺身も!
赤福氷の(まだ言うか)ことも忘れて、せいうち大喜び!
で、思わず記念撮影をしてしまう、と。

明日も楽しみです。




追記: 03年5月、たいようくんは天国に召されました。 死因は腸捻転ということです。
元気なこきゅうで、将来が楽しみだったのに残念です。
慎んでご冥福をお祈りします。

この訃報の後、半年とたたない03年10月、さらなる悲報が届いてしまいました。
ふれあいショーのアイドルコンビのうちの1頭、ウーボーくんが急逝されたとのことです。
ウーボーは享年14歳、まだまだこれからという若さで、非常に残念でなりません。
直接原因としては心臓系に問題があったようですが、突然の、しかし安らかな逝去だったと聞きます。
人の言葉を聞くのが上手な彼は、「おーい、ウーボー!」という呼びかけにすぐ反応して
「うおっ?!」と言いながら振り向いてくれたものでした。
ふれあいという思い出をありがとう。 君と一緒に撮った写真は、一生の宝物です。
たいようくんと共にせいうちの星となって、日本のせいうちたちを見守ってやってください。
慎んでご冥福をお祈りします。   横浜せいうちランド