その11
2日目・道央富良野ラヘンダー街道

04.11.08.up


北海道第2日目は、小樽から稚内までの移動日であるが、その移動距離は長大であり、
少しでも無駄な時間を過ごせば当日中の目的地への到着すら危ういという、
ひたすら走り続けることを余儀なくされる過酷なタイムレースとなった。

しかしながら、せっかく7月中旬という短い初夏の季節に北海道を訪れていながら、
この時期にしか体験できないすばらしい景色を見ずに通過するというのも野暮というものである。
そこで本日の走行ルートは、小樽から札幌経由で北上する途中から高速道路をそれて東へふくらむ進路をとり、
ラベンダーの花咲く道央・富良野を駆け抜け旭川から士別へ、さらに分岐点音威子府(おといねっぷ)からは西回りの
日本海ルートを選択、夕闇迫るサロベツ原野の只中を走破し、沖に利尻島を望みつつ日本海オロロンラインを
北の果て・稚内まで走るという、一見無謀とも思えるウルトラC級のドライブコースを設定した。

ということで、せいうち探訪と旅とは銘打ちつつも、旅の2日目には海獣の登場は一切ナシ。
代わりにといってはなんだが、超特急ドライブの最中に撮影した「北海道なカット」をご紹介しよう。

線路は続くよ、どこまでも。
はるか地平まで続くようなロングストレートは、まさに北海道ならでは。
JR富良野線で撮影。


直線のレール上に出現した無人駅。(西中駅)
木製のプラットホームが郷愁を誘う。
欄干に腰掛け、しばし佇む・・・が、列車の訪れる気配は全くなく、
ただ草の匂いを運ぶ風が、静かに渡っていくだけであった。


富良野にラベンダーの名所は数あれど、
探検隊イチ押しのポイントはここ、上富良野町・日の出公園だ。
ここは富良野のラベンダー栽培発祥の地でもあるそうだ。
公営ゆえに入場料などは一切なく、なだらかな丘を有する
広い敷地には、たくさんの種類の花がカラフルに咲き競う。


これだ! この写真が撮りたいために、
無理して富良野に立寄ったと言っても過言ではない。
大地に敷き詰められた紫色のじゅうたん、白い雲がゆく青空。
ラベンダーの甘い香りまで届くような会心の1枚が撮れて大満足!


カメラを5台も提げた、通りかかりのカメラマン氏に撮ってもらう。
遠くには、結婚式も執り行われるという純白の鐘が見える。


「山はいいよね!(byクロノ・トリガー)」のポーズで。
ラベンダー畑の彼方には、パッチワークの丘が続いている。
注:パッチワークの丘とは、牧草を刈り取る時期が異なるために
刈り取り前と後との牧草地が、遠目に緑と茶のパッチワークの
ように見えることから呼ばれている、富良野の風物詩である。



ラベンダー。
たった1本を摘んで胸にさしているだけで、
車内いっぱいにやわらかな香りが広がる。


なだらかな斜面に広がる花のじゅうたん。
こんな平和な時が流れる北海道の夏は短い。


こちらには、大輪の向日葵が咲き乱れている。
ひまわりといえば、二見シーパラダイスのひまわりちゃんは
元気にしているだろうか。(ムリヤリせいうちネタを持ち出したぞ!)


フラワーランドかみふらのに立寄り、おみやげ購入ついでに
ラベンダーソフトクリームをいただく。
淡いラベンダー色のソフトのお味はいかに?
・・・たしかにラベンダー。 そのままでした(^_^)。


緑の大地を往くノロッコ号に遭遇。
夏から秋のみの期間、旭川〜富良野間を運行している
ディーゼル機関車が引く3両編成の観光列車だ。
車窓を流れる景色をのんびりと眺めながら行く旅も楽しいだろうなあ。


富良野でだいぶ時間を費やしてしまったので、
あとはひたすら北を目指す旅となる。

鉄道線路と同様に、一般道路も直線区間が多い。
道の両側は見渡す限りの牧草地で、たまに牛が草を食んでいるくらい。
しかし、夏の北海道は、陽射しは強くてもカラリとしていて
ジメジメした本州の暑さが嘘のようである。
本当に空気まで透き通るような青さだ。


ほぼ休憩も取らずに走り続けたのではあるが、
サロベツ原野にさしかかったころには太陽が大きく西に傾き、
日暮れまでに日本海に出られるのか、という不安がよぎる。
それでもなんとか完全に日が沈む前に海岸まで到達、
薄れゆく中ではあったが、遠く利尻富士を拝むことができた。


いよいよ、最果ての街・稚内に到達、
最北端の駅である稚内駅にて記念撮影である。
だが北の街の夜は早い。
午後6時を過ぎた段階で、ほとんどの店は閉店してしまっており、
駅前のわずか数店舗がのれんを掲げているに過ぎない。
軽い食事のみを済ませ、名物のかにめし弁当を買って宿へと向かう。
さあ、早めに寝て今日の疲れを癒し、最終日に備えよう。