八丈島されツアー



職場のレクリエーションで、少人数の班編成での旅行を計画することになった。
各自行きたい場所を提示して、希望者が集まれば決定・・・という方式だったのだが
よもや他にはいまいと思ってナゲヤリ気味に出した「八丈島ツアー」が、みごと4人を集めて確定。
三十路男ばかりの怪しげなカルテットで、「島流され」に出発と相成ったのでアリマシタ。

八丈島へのアクセスは、優雅(?)な船旅もあるが、
羽田から直通45分のANA便が断然便利。

ただし八丈空港の滑走路は短いため、就航する
機体は定員126人の小型ジェットB737のみ。
羽田空港では、駐機ブースに横付けしても通路と
ハッチの高さが合わないため、バスで滑走路横まで
行って、タラップから乗込むのだ。
羽田-八丈島線に就航しているB737は、
ボディにイルカのイラストが描かれている。

ただし、残念ながら今回の機体は全身ではなく
エンジン部分のみのイルカデザイン。
まぁこれはこれで、イルカが引っ張ってくれている
みたいな気になる・・・ことも不可能ではない、かも。

おりしも、本州南岸を前線が通過中。 羽田-八丈島ともに強風が吹き荒れている。
前便の到着もだいぶ遅れており運休の懸念もあったが、
引き返す可能性ありとの条件つきながら、なんとかフライトすることとなった。
滑走路を飛立ってぐるりと旋回すれば、もう横浜上空だ。 せいうちランドが見えるカナ?

予想されたとおり、機上はかなりの揺れであった。
ジェット機ならぬジェットコースターばりのダイブまで
体感できて2度オイシイ? そんなワケないない!

辛うじて45分を耐えぬき、八丈空港にタッチダウン。
しかし、そこは強風+大雨の嵐模様であった・・・。
とりあえず、予約しておいたレンタカーを受領し、
島内ドライブに出発する。
この雨では、観光はどうにもなりそうにないが、まずは昼食ということで「島寿司」とやらを食べに行く。
島寿司とは、鯛やトビウオ等の白身魚をヅケにしてワサビではなくカラシで握った江戸前風のお寿司。
このカラシが見事に白身魚とマッチしていてvery旨い。

満足して出てきたころには徐々に雨も止みはじめ、
島の南側、三原山を周回して登龍(のぼりょう)峠に
着いたときには、雲の切れ間ものぞいてきていた。
途中、町営温泉のザ・BOONに寄って一汗流す。

そうしているうちに、風が強いせいか、今度は雲が
次々と吹き飛ばされて青空が広がってくるではないか。
南側半周を終えて底土漁港に着いたときには、
すっかりいいお天気になってしまった。

ちなみに、借りたレンタカーは「品川ナンバー」。
というより、島の車全部が品川ナンバーである。
車検のときはどうすんだろう?
東京電力TEPCOの広報施設を見学する。
ここ八丈島では、地下熱水を利用した地熱発電と
年中吹きつける風を利用した風力発電が行われる。

なんと、八丈島の年間平均風速は約5.7m/s、しかも
風速10m/sを超える日が年の半分以上だという。
なるほど、黒潮よりも南に位置する太平洋ど真中では
海風をさえぎるものが何もなく、島を直撃するわけだ。

12月だというのに、鮮やかな大輪のハイビスカスが揺れる。
その遙か彼方の海に、オレンジ色の夕日が沈んでいく。

夜半すぎまで雲が行き交う強風が続き、期待していた満天の星空は拝めず、残念。
ほかに島の夜に何かあるわけでなし、日頃の疲れを忘れるためサナギのように寝るのみ。

・・・ん? 外がまぶしいなあ・・・。 それは山の端を彩る夜明けの輝きであった。
美しい光景を写真にだけ収めて、また寝る。 ぐぅ・・・・・・。

ハッ!として気付いたら、もうこんなにお日さまが高くなってる!
でも急いで行くとこなんか、ありゃしない。 島のスローライフもたまにはいいね。

今日はいい天気だから、八丈富士に登るぞ!

富士の名のとおり、なだらかなコニーデ型で
標高854mのうち7合目までは車でいけるから
残りは1280段の石段を登るだけじゃん・・・
って、自分の体格体力を忘れてないか?!
一言に1280段って言っても、街中の階段とは
違って、岩を組み合せた山道でねーだか。
登り始め5分で心拍数がレッドゾーン! やばっ!

眼下に広がるすばらしい景色とは裏腹に、
「もう帰りたい」という気持ちが増大していくぅ。
それでもナントカカントカ、てっぺんに着いた。
このヤレ顔を見てやっておくれよ。

顔は半泣き、膝は大笑い。 どういうことかー?
見下ろせば、まっすぐ続く斜面はそのまま海へと入る。
強風が作り出す、白い波頭が延々と連なり、
その向こうは、彼方までなにもない水平線である。

こんな景色を見ていると、登りの苦労も消えるようだ。
(→ウソばっかり。)
それにしても、山頂付近は麓にも増して強風だ。
うかうかしてると、暑くて脱いだ長袖シャツを
飛ばされてしまいそうになる。

お、お、おおおーー! こ、このバサバサ感はっ?!
気分はマントを風に翻すキャプテン・ハーロック。
シャツの裾だけじゃ、ビロビロなだけなんだけど。
膝をカクカクさせながら、やっとの思いで下山した。

休憩がてら、中腹の町営ふれあい牧場に立寄る。
キョンはどこだー? キョンはおらんのかー?!
残念ながら、ここには牛さんしかいません。

昨日は島の南側を半周したので、今日は残りの北側部分を周回する。
東から八丈富士の麓を回りこんでいくと、北西沖約7.5kmに浮かぶ八丈小島が見えてくる。
八丈小島にはかつて村が存在したが、昭和40年代に全島民移住をして以来、無人島だそうである。

火山の爪跡を残す、南原千畳岩海岸。
ザバーン!と黒い岩に砕け散る白波がすごい。

この写真の続きがあるとしたら・・・たぶん中央奥から
△の中に「東映」と書いたやつが飛んでくる絵だろう。



              こんなの→
東映といえば、やっぱコレしかないでしょう!

「蒸着!」「蒸着!」「蒸着!」「蒸着!」
「蒸着!」「蒸着!」「蒸着!」「蒸着!」

→「8蒸着」→「8じょうちゃく」→「八じょうちゃく」
→「八丈着(はち-じょうちゃく)!」  シュウッ!
山登りで疲れた体わ癒すため、昨日に引続き
島の南東、末吉地区の「みはらしの湯」に向かう。

ここは町営の公衆温泉ながら、太平洋を見渡す
壮大な眺めが絶好の露天風呂を備えているのだ。

海水のようにしょっぱいお湯に浸かれば、体が癒され
広がる景色で心も癒される・・・という寸法だ。
クロス・アウッ(脱衣)! ドボーン!!

うっはぁー! きーもちイイーーーっ!!

      ***一部見苦しい点を修正してお送りしています***

筋肉痛もほぐしたことだし、帰りの飛行機までの時間を使って、八丈植物公園に行こう。
ここには、あの「キョン」にも会える・・・イターー(゚∀゚)ーーッ!

これが、「八丈島のキョン」です。

シカ科の動物って聞いていたし、どのガイド本にも
大きさについて言及しているものがなかったので
普通の鹿サイズを想像していたのだが・・・。

実際のキョンは、体長4〜50cmで犬程度のサイズ。
うむむ、カワイイじゃないか・・・。
柵のところでカメラを構えていると、興味深そうに
たくさんのキョンが寄ってくる。 人懐こい?

しかも口々に「キュウ、キュウ」と鳴いてるではないかっ!
(ちょうど、おなかを押すと鳴く塩ビ製のおもちゃみたいな声)

「キュウキュウ。」(キョン)
「きゅうきゅう?」(筆者)
「キュウキュウ。」(キョン)
「八丈島のっ、きゅう〜っ!」(筆者)
上の写真は、女のキョン。
右の写真が、男のキョン。

♪キミたち おんなのきょん(GoGo!)
ボクたち おとこのきょん(GoGo!)
へへへぃー、へへへいー♪♪

↑古いよ・・・しかも長いよ。




両方ともかわいい顔立ちだけど、
やっぱり♀キョンのほうが優しい顔つきで、
♂キョンのほうが凛々しい感じですね。


♂キョンには、短いけど鋭い角と牙が・・・キバ?!
げげ、ホントだ? 犬歯が伸びた牙が出ているっ!

おまえっ、せいうちの親戚なのかっ?!

                        拡大写真

そんなことで驚いているうちに、帰りの飛行機が・・・飛行機がぁ・・・!
って、うっそぴょ〜ん。 夕方に2便のフライトがあるのだ。
乗るのは次の便だしょ。

無事ご赦免となって、横浜に帰ってきました。

八丈みやげは、名産の「光るキノコ」。
ウソだって。 持ってきちゃダメなの、それは。

これは植物公園で撮影させてもらったもの。
暗がりでは蛍光塗料のように薄緑に光るのだ。
自然群生している様は、森の中の銀河のようだとか。
本命のおみやげは、これ。
「島とうがらし」、略して「島とう」である。

ただの小粒な唐辛子じゃん、って言うなかれ。
どんなに細かくきざんであろうが、ひとかけらで
ピリリリと辛い強力さは、流行のハバネロ以上?

しかも口に入れて3秒以内に火を噴くピーキーさは
あきらかに別種と思えるハイパー唐辛子なのだ。
ちなみに、漁港のおばちゃんに売ってもらった。
一袋130円也。 激安!


ちょっといいかげんな動機で訪れた八丈島であったが、良い方向に裏切られ、
とても満足のいく2日間の旅行でありました。
なかなか行く機会がある場所ではないですが、週末の小旅行程度でも
相当に密度の高い楽しみ方ができる島だと思います。
ぜひ、一度は訪問してみることをお奨めします!