partIV

TAMIYA MINI-4WD series 1/32
〜ミニ4駆・3部作〜
GUN BLUSTER CUSCO SPECIAL & GUN BLUSTER XTO

「オトナのミニ4駆を作る」というテーマの下、3台のマシンを仕上げた。
それが、このガンブラスターx3である。
カラーリング・イメージは、「宇宙刑事」のスーパーマシン。
メタルヒーローの象徴・シルバーを基調として、
ギャバン=ブラックシャリバン=レッドシャイダー=ブルー
という3色・3機種となった。
しかしながら、3機種の違いはカラーリングだけではない。
それぞれが、「耐久走行仕様」「高速走行仕様」「ディスプレイ仕様
に対応しているのだ。
それでは、そのスペックをもう一度見てみよう!
※「オトナのミニ4駆」・・・豊富な資金力を背景にして、高価な部品代に糸目をつけずに
ひたすらハイスペックを追求するという、ある意味で邪道とも言える製作方法。
本体価格600円に対して、完成費用1台ン千円というバブルマシンができあがる。



GUN BLUSTER "SHAIDER"
ミニ四駆の機能美を引き出すため、ボディ各所に手を入れた作品である。
ただし、ディスプレイ仕様とは言うものの、モーターを実装しており、
本来の「走るモデル」であるミニ四駆の機能は些かも損なわれていない。
事実、デザインによるボディの軽量化により、
高速走行仕様にも勝るとも劣らない走行性能を秘めることとなった。

塗装には、オートバックスにて購入した、実車用のタッチペン及びボディスプレーを使用している。
使用カラーは、ホンダ車用のキャンディーブルー、トヨタ車用のスーパーシルバーV。
シルバーをベースに吹き、溶いたブルーを筆塗りする手法をとった。
せっかくなので、モーターもガンメタに塗装してみた。

足回りには、純アルミの削り出しホイール(社外品)に、スポンジタイヤを使用。
もちろん、電池接点を金メッキのゴールドターミナルに、プロペラシャフトを中空ハードシャフトにと
デフォルトのパーツを交換したり、シャフト軸受けにもベアリングを使うなど、
外から見えない部分にも、こまめにチューンを施してある。

コクピット相当部分はピラーを残してカットし、開口部には全てメッシュを貼り込んだ。
ピラーは1.5mm程度の径となるため、加工には最も苦心した箇所である。
ガンブラスターは、ボディ中央の切れ込むようなくびれが非常にsexyである。
タイヤハウス部分の黒メッシュは、「網タイツ」を意識して・・・?

フロントにはアルミ可変ダウンスラストローラー+φ19mmエアロベアリングローラー、
リアにはアルミマルチステー+φ13mmベアリングローラーをマウント。
ガンブラスター・クスコスペシャル専用パーツである、美麗なリアウィングの
デザインを活かすため、このようなレイアウトを採用した。

フロントにはグリーン、リアにはレッドのLEDを装備。 モーターと連動して強烈な光を放つ。
マウントは其々上の写真を参照されたいが、流用パーツでテールランプを作成している。
室内灯を落として暗闇のコースを走らせると、深夜のハイウェイバトルのようでカッコイイ!

使用パーツ一覧
プラズマダッシュモーター
ゴールドターミナルB
真鍮ピニオン
2.0mm中空軽量プロペラシャフト
ボールベアリング(丸穴シャフト軸受用)
アルミ削り出しホイール+専用ハードシャフト
スポンジタイヤ
アルミ可変ダウンスラストローラー
19mmアルミベアリングローラー(エアロスポークタイプ)
アルミリヤーマルチステー
13mmボールベアリングローラー(透明シールタイプ)
スタイリングメッシュ(黒・青)
発光ダイオード(高輝度タイプ)(緑・赤)



GUN BLUSTER "SHARIVAN"
全ては、右回りオーバルコースを走るために設計された1台。
それは、モーターユニットをフロントに配置するという特異なレイアウトを持つ
「スーパーFMシャーシ」を採用する車種選びから始った。
やや長めのホイールベースとフロント荷重は、加速時の前輪の浮き上りを防ぐ。
そして、大幅な軽量化を図るとともに、空力特性向上及びモーター冷却効果向上を両立すべく
ボディからシャーシに至るまで無数の穴が穿たれているのが、本機最大の特徴である。

塗装は、シャイダーと同じく実車用のタッチペン及びボディスプレー。
こちらは、トヨタ車用のスーパーシルバーVをベースに、トヨタセラ用のワインレッドを使ったが、
もう少し明るい赤のほうがよかったかも、と思ったりしている。
フロントのダウンスラストローラーは、コーナー飛込み時に壁との接触を和らげるとともに、
アウト側前輪にダウンフォースを与えてやる効果がある。
リアのスライドダンパーウィングは、空力効果が期待できるほか、
コーナーリング時に壁との接触で車体が尻振りして不安定になるのを防ぐ。

右オーバル専用のため、微妙に左右非対称。
タイヤは、伸びが良くハイグリップのレストンスポンジのものを履いているが、
実はタイヤ径も左のほうが大きく、やや右にバンクした姿勢になっている。
スタビライザーポールが左にしかついていないのもそのためで、
オーバースピードでイン側が浮き上るのを防ぐ役目を担っている。
旋回時に左右輪の回転差を吸収するギア入りのワンウェイホイールを採用し、
長いコーナーで発生する、イン側が滑るなどのロスを排除している。

見よ! この徹底した肉抜きを!
ボディ・シャーシともに、強度を落とさずに軽量化するため、ピンバイスで幾何学的に穿孔した。
シャーシでは1/4以上の減量に成功、ボディにおいてはエアロパーツとしての
機能を持たせるため、より空気抜けがしやすいように穴を配置している。
もちろん、コクピット周辺は大胆にカットオフし、メッシュで見栄えを整えている。

フロント中央に一際大きなエアインテークを設け、直接モーターを冷却をしている。
それに伴い、車体内部を通る気流を逃がすため、ボディ後部にも排気孔を開けた。
タイヤシャフトもかなりの負担がかかる場所なので、冷却してやると効果がある。
実際の走行テストでは、ワイドトレッド化も功を奏して転倒やコースアウトはほぼ皆無だったが、
フロントダウンスラストローラーが効き過ぎることと、その負担によりローラーゴムが
僅か数周のうちに磨耗してちぎれ飛ぶという、意外な結末に泣いた。
しかし、スペック的には充分、フロントの改良次第では最速の称号も夢ではないぞ!

使用パーツ一覧
マッハダッシュモーター
ゴールドターミナルB
真鍮ピニオン
軽量超速ギヤー
2.0mm中空軽量プロペラシャフト
ボールベアリング(六角穴シャフト軸受用)
中空ハードシャフト
ナローワンウェイホイール(ワイドトレッドタイプ)
レストンスポンジタイヤ
アルミ可変ダウンスラストローラー
17mmアルミベアリングローラー(3本スポークタイプ)
リアスライドダンパー・ウィング
9mmローラー用ボールベアリング
スタビライザーポール
スタイリングメッシュ(青)



GUN BLUSTER "GAVAN"
実は、3台の中では1番最後に製作されたモデルである。
また、この機体だけが、ガンブラスターXTOをベースとしている。
クスコスペシャルはXTOを改良した機種であるから、元祖のXTOの方が実際にも重く、
ゴツイイメージなのは仕方がないが、それを逆手に取って耐久走行仕様にした。
旧型だが、重厚で力強い"隊長機"としての位置付けなのである。

塗装は、メインは他の2台と同様にトヨタ車用スーパーシルバーVに、
黒塗りセダンをイメージした艶のあるブラック。
ボディは敢えて肉抜きなどはせずに、見た目の重量感を残した。
XTOの純正リアウィングは左右2枚に分かれたアーチ型で、こちらもなかなか良い。

磨耗しやすいスポンジタイヤではなく、耐久性のあるショック吸収タイヤを装着。
デフォルトのものよりやや柔かめのラバー製で、路面のギャップをキャンセルできる。
耐久レースでは、振動の蓄積による車体各部への負担が大きくなるので、
意外と重要なパーツが、このタイヤなのである。

タイヤのグリップ力不足を補うのは、ワンウェイホイールである。
デフギアの無いミニ四駆では、Rの小さいコーナーを曲がる際、イン側とアウト側のタイヤでは
トレースする距離が異なるために、荷重の抜け易いイン側のタイヤが空転してしまい、
結果として回転ロスが生じてスピードを殺してしまう。
ワンウェイホイールでは左右独立して内部に遊星ギアが入っているために、
加速走行時には噛みあってモーターからの回転を無駄なくタイヤに伝えるが、
旋回時のイン側ではシャフトが空回りして、タイヤ自体が滑ってしまうのを防ぐのだ。

フロントに付けられたベアリングローラー付きスライドダンパーは、
コーナー進入時に壁との衝突衝撃を和らげて、姿勢の乱れを防ぐ。
また、リアには強度の高いアルミバンパーをダブルで装備、
上下の大径ローラーは、スタビライザーポールと同様に
車体が左右にめくれあがって横転するのを防ぐ効果がある。
いずれも、長時間にわたって連続走行する耐久レースで
最もリスクの高い「車体破損」を防止する、要の装備品である。

使用パーツ一覧
プラズマダッシュモーター
ゴールドターミナルB
真鍮ピニオン
2.0mm中空軽量プロペラシャフト
ボールベアリング(六角穴シャフト軸受用)
中空ハードシャフト
ナローワンウェイホイール(ワイドトレッドタイプ)
ローハイト・ショック吸収タイヤ
フロントスライドダンパー
9mmローラー用ボールベアリング
リアダブルアルミステー
19mm軽量アルミローラー(3本スポークタイプ)





01.12.09.up