〜御神体と三種の神器〜
海象神社の御神体、「神牙」。 本物のせいうちの牙です。 |
かつて、せいうちの牙は「みずぞうげ」と呼ばれ、象牙とほぼ同等の 材質であることから、印材、彫刻材等として珍重されていましたが、 商業目的の乱獲が問題となり、現在ではワシントン条約(第V種)で 採取が制限され、手厚く保護されています。 ちなみに、英語では 「tusk」といいます。 (この「神牙」は、カナダ原住民が限定的許可のもとに捕獲したものを譲り受けた品です。) この牙は、長さ約48cm、最大径約6cm×3cmと、大きさ・反りの具合 とも美しい成獣の牙で、根元の内側には歯髄部分も見えます。 |
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海象神社でお祀りする三種の神器の一つ、「神髭」。 本物のせいうちのヒゲです。 |
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せいうちのヒゲは、ちょうど鼻と口との間に生えており、その数は約440本。 漢字で書く場合は、「くちひげ」を表す「髭」が正しいでしょう。 (おなじ「ひげ」でも、「鬚(あごひげの意)」や「髯(ほおひげの意)」と区別します。) 1本1本が太さ1.5〜2.0mmくらいの剛毛で、色は透明な琥珀色、 硬さはちょうどスパゲッティの乾麺をややしなやかにしたくらいで、 海底や岩場などにこすりつけ食物となる貝などを探すのに役立つ 触覚的な機能を持っています。 このヒゲは、二見シーパラダイスのウッチーくんから抜け落ちた1本を いただいたもので、長さが約29.5cm太さが約1.8mm、根元の部分が ストロー状の構造になっているのがわかります。 |
海象神社でお祀りする三種の神器の一つ、「神毛」。 本物のせいうちの体毛です。 |
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せいうちの体表は、ゴワゴワしていると思われがちですが、 実際には柔らかく短い体毛が全身に生えています。 せいうちには1年に1回、春から夏にかけて換毛期があり、 古い毛が少しずつ抜け落ちて、順次新しい毛に生え変わります。 ただし、頻繁に他の物体に接触する場所、例えばヒレの部分などは 歩くたびに地面と擦れるために毛が削れたり抜けたりしてしまい、 地肌が露出してすべすべした状態になってしまうこともあります。 体毛 1本の長さは1cmくらいで、色は琥珀色〜亜麻色の茶色系、 光に透かしてみると半透明をしているのがわかります。 この毛は、二見シーパラダイスのウッチーくんが換毛期になった際に 背中の部分から採取させていただいたものです。 |
海象神社でお祀りする三種の神器の一つ、「神歯」。 本物のせいうちの奥歯です。 |
せいうちには、前歯はなく左右に4対ずつ奥歯があります。 もっとも、食べ物はみな吸い込んで飲んでしまうので、 咀嚼用ではなく、好物の二枚貝の殻を砕くのに使うようです。 この歯は野生せいうちのものらしく、直径約1.5〜2cm、長さ約5cmで、 先端がすり減って斜めになっているいるのがわかります。 下の写真は、牙との対比です。 |