ゴマフアザラシ(Spotted seal) | ||
北太平洋〜オホーツク〜ベーリング海を主な生活の場としており、日本では「ゴマちゃん」として最も知名度が高く、各地の水族館で会える。 灰〜うす茶の地に、胡麻のような斑点が体中についている。 間違えてゴマアザラシと呼ばれることがあるが、ゴマフが正しい。 |
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ワモンアザラシ(Ringed seal) | ||
輪のような紋様を体中に持つことから、輪紋アザラシと呼ばれている。 数ある種族の中でも最も小柄な部類で、成獣でも体長1mそこそこである。 模様はゼニガタに似ているが、毛色は主に明るめの茶色系が多い。 ヒゲが放射状にピンピンとしていて、愛嬌のある顔立ちをしている。 |
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ゼニガタアザラシ(Common seal or Harbor seal) | ||
日本国内(襟裳岬周辺ほか)で自然繁殖している唯一の種と言われている。 岩場で出産するため、赤ちゃんの毛は白色ではなく成獣に近い。 体には銭形の紋様があり、色は黒〜濃色ベースの個体が多いが、中には明灰色型と呼ばれる明るい色をした個体もいる。 英語でコモンシール(一般的なアザラシ)と呼ばれるように世界的にポピュラーな種であり、北太平洋〜北大西洋の広い範囲に生息している。 |
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カスピカイアザラシ(Caspian seal) | ||
種としては全体的に小柄で、みなかわいらしい顔つきをしている。 名前のとおりカスピ海にのみ生息しているが、近年の海洋汚染により個体数が激減し、種の存亡が危ぶまれている。 |
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バイカルアザラシ(Baikal seal or Nerpa) | ||
バイカル湖がまだ海とつながっていた頃から川を遡上して住みつき、長い年月を経て外界と閉ざされ湖となった今でも独自の生活を維持している、世界唯一の淡水性あざらしである。 故郷の湖水の透明度が非常に高いため、視力がよく発達している。 黒い爆弾型の体型やガイコツ顔も、なぜかチャーミングである。 |
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タテゴトアザラシ(Harp seal) | ||
北極海〜北太平洋〜北大西洋に生息しており、成獣になると背中に竪琴状の模様が現れる。 純白の天使として知られる真っ白でモコモコの赤ちゃんあざらしの写真はタテゴトアザラシの赤ちゃんであることが多く、カナダ・セントローレンス湾では毎年3月の出産時期に見学ツアーが組まれることもある。 |
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クラカケアザラシ(Ribbon seal) | ||
成獣では乗馬の鞍の形をした模様が全身に現れる。 英語ではリボンシールと言われ、体に現れる帯は10cmくらいの幅で、背景色は雄では黒に近く、雌では明るい茶色である。 オホーツク〜ベーリング海周辺の北太平洋に生息。 |
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アゴヒゲアザラシ(Bearded seal) | ||
りっぱなアゴヒゲ(正確にはクチヒゲだが)を利用して、海底の貝などを探す。 頭のサイズのわりに胴長で、毛は夏は灰色〜冬は褐色と生え変わる。 北極海及びその周辺に住んでいるが、繁殖期以外はほとんど単独生活をしており、稀に日本近海まで回遊してくることもある。 「タマちゃん(写真右)」の出現で、一躍国民的スターダムにのし上がる。 |
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ハイイロアザラシ(Grey seal or Horsehead seal) | ||
バルト海〜大西洋方面に生息し、鼻先が長いいわゆるウマヅラであることから、ヨーロッパでは「ホースヘッドシール(馬頭アザラシ)」とも呼ばれる。 暗く濁った水中で物を見るために平たい角膜を持ち、外耳器官はなく内耳で音を判断する。 鼻が長いだけあって、臭いの判別能力も高いようだ。 |
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ズキンアザラシ(Hooded seal) | ||
グリーンランド周辺の北大西洋に住むあざらし。 雄の成獣は鼻に三日月状の嚢(袋状のもの)があり、求愛時などには鼻隔壁を赤いゴム風船のように膨らませてアピールする。 子育て期間が約4日間※と、非常に短いのも特徴である。(※他種は2週間程度) |
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ハワイモンクアザラシ(Hawaiian monk seal) | ||
ハワイ近海の温帯海域に住む、数少ない種族。 むにゅ〜とした愛嬌たっぷりの顔で、砂浜でのんびり寝ていることも多い。 砂浜から海に帰るときには、ゴロンゴロンと横に転がって坂を下りていく。 「モンク」とは修道士のことで、文句を言うあざらしという意味ではない。 |
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チチュウカイモンクアザラシ(Mediterranean monk seal) | ||
ハワイモンクとは親類関係で、地中海沿岸域に住んでいる。 南洋に住むあざらしは少なく、現在ではモンクアザラシの2種族だけであるが、双方とも乱獲などにより個体数が激減しており、絶滅の危機にある。 |
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キタゾウアザラシ(Northern elephant seal) | ||
アメリカ大陸側の北太平洋に生息している大型のあざらし。 雄の成獣では鼻が長く伸びて、まさに象のような風貌になる。 でかい体がゴロンと転がって寝ている様子は、まるで山のようである。 また潜水能力に長け、1500m以上もの深海まで潜るとも言われている。 |
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ミナミゾウアザラシ(Southern elephant seal) | ||
南極周辺の島などに住み、雄1頭に対して雌10数頭にもなる大ハーレムを形成することでも有名。 あざらしの仲間のみならず、鰭脚類の中でも一番の巨体の持ち主であり、雄では体長5m、体重3tを超える。 頭部も大きく、目は電球ほどもある。 雄の鼻が長いが、雌は長くない。 |
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ウェッデルアザラシ(Weddell seal) | ||
南極圏ウェッデル海周辺に住むあざらしで、馬面のハイイロアザラシとは対照的に、鼻先が平たい猫顔をしている。 鋭い犬歯で水面に張った氷に呼吸用の穴を開けたり、肺の中の空気を全部吐きだして深海にまで潜る技術を持っている。 |
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カニクイアザラシ(Crabeater seal) | ||
南極に住むあざらし4種の中でも、数が多い部類である。 「蟹食い」とは言っても、主食はオキアミらしい。 流氷の上に避難して寝ているが、氷ごと揺すられてあわれ海に落ちたところをシャチに食べられたりしている、不憫な種族でもある。 |
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ヒョウアザラシ(Leopard seal) | ||
南極において「最も凶暴な」と枕詞のつく、危険動物。 魚のみならず、ペンギンや別種の子あざらしまで捕食する凶悪さである。 首はうねうねと長く、尖った歯を持つ口はものすごい角度まで開き、まるで肉食恐竜のようなシルエットをしている。 ちなみに、漢字で書くと「豹海豹」。 上から読んでも、下から読んでも・・・。 |
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ロスアザラシ(Ross seal) | ||
南極あざらしの中でも、最も数の少ない種族。 警戒心が極めて強く、他の動物が近づくと体を弓のように反らせて独特のポーズをとり、サイレンのような大きな警戒音を発して威嚇する。 首の下に、爪跡状の縞模様があるのが特徴。 |