朝7時には小樽駅から列車に乗り、札幌駅まで戻ってきた。 それは、1日に1往復しか設定のない期間限定運行の特急、 「流氷特急・オホーツクの風」に乗車するためである。 さあ、急がないと出発時刻が迫っているぞ。 ・・・ん? 電光掲示板の列車名にクリオネ? |
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隣のホームには、北海道日本ハムファイターズとのコラボ、 ニセコエクスプレス・ファイターズ号が入線している。 これから乗る「オホーツクの風」は、流氷特急の名が示すとおり、 札幌から始発して、流氷押し寄せる網走までの長距離を 一気に駆け抜ける、冬季限定のリゾートエクスプレスだ。 白いボディに“NorthRainbow”カラーが施されたスタイリッシュな車体で、 先頭車両は運転席ごしに前方が見渡せるパノラマカーとなっている。 |
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ぬかりなく1号車に指定席を取っておいた。 なるほど、いい眺め! 出発してまもなく、札幌〜岩見沢間の北海道らしい長ーい直線区間に入った。 雪でまっ白に覆われた鉄路の上を、流氷特急が軽やかに加速していく。 |
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3号車は2階建て車両になっていて、1階部分は ソファがセットされたラウンジとなっている。 併設された売店ではオリジナルのおみやげ品のほか、 コーヒー等のドリンク販売もしているため、喫茶店代わりに いつも満席状態で混雑すると聞いていたのだが・・・、 出発早々に車内探検にいくと、まだ誰もいないじゃん? やったね一番乗り! しばし独占状態でゴロゴロ〜。 |
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ラウンジには、「流氷特急ポスト」なる木箱が置かれている。 これに投函すれば、ちゃんと郵便局が回収・配達してくれるのだが、 このポスト受付限定のオリジナル消印を押してくれるのだよ。 乗車記念にもらった絵はがきに、切手を貼って投函しよう。 おっと、切手なら売店でも売ってるぜ。(ご当地切手もあり。) |
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できるなら終点網走まで流氷特急に乗って行きたいところだが、今日は旭川で途中下車。 駅前からバスに乗り継いで、旭山動物園に到着〜。 うわっ、まだ開園前だというのに、入口には長蛇の列が! 大人気ですなぁ。 |
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やっと入園できた・・・と思ったら、わっ、広ーい! 並んでいたのはゲート前であって、敷地はこんな広いんかぁ。 ゆるやかな丘の斜面をぞろぞろと登っていく。 だが、周囲のみんなは一様に同方向に歩いている。 ・・・しかも段々と早足になって、近いところから場所取りが始まった! |
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そう、みんな目的は一緒。 ペンギンの散歩がお目当てなのだから。 結構な長い距離(1周約500m)を行進するのだが、休日ともなると その500mにびっしりとギャラリーがつくほどの大人気。 うまいこと前列をキープしないと、人垣でペンギンたちが見えないぞぅ。 |
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ほら来た来た! ジェンツー(かな?)1頭を先頭に、キングがたくさん! みんな毛並みがよくって温ったかそう〜。 それに体もでかーい! ・・・いまさら思ったけど、ペンギンってでかい鳥だよな。 野鳥としてそこらへんの町中にいたら、存在感あるよ? |
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およ? さっきまで先頭切って歩いていたジェンツーが脇にそれていく。 何やってんの? 新雪のところに突っこみたかったのかねえ。 バイン!バイン!とおなかジャンプをして進むので、 通った跡にペンギン型の雪穴が連続してスタンプされていく。 |
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ほらぁ。 ひとりで遊んでいるから、みんなから遅れちゃった。 「あーん、待ってよぉー。みんな冷たいじゃんかよぉー。」 それもそのはず、ここは冬の北海道なのだからっ。 「その 冷たい じゃねェっ!(小声で) 急げ、急げ。 1、2! 1、2!」 |
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そんなこんなでしたが、無事に全員ゴール。 ゴールラインではお迎えの子ペンギンも待っているぞ。 |
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ペンギンのお散歩が終ったら、人波もばらけてきた。 それでは、本命のあざらし館に行ってみよー! |
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屋外(2階部分)には、小さな漁港を模したプールがある。 岸辺には「海豹丸」と書かれた漁船が係留されているぞ。 |
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待ってました! スタッフのお姉さんとともに、ゴマフ登場! 雪の上を自在に這いまわる姿は、さすがアザラシ。 |
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普段、よその水族館で見る姿は、プールか擬岩の上にいるところが多いけど、 やっぱりアザラシは白い雪景色と似合うよね。 テレビとかでしかなかなか見られないけどね。 |
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スタッフの周りを動きまわるアザラシを、後ろから呼ぶ声。 「を゛っ!」 おっと、こんなところから別のアザラシが顔を出した! ぱっと見ると、全体が陸地のように見えるのだが、 実はスタッフが立っている辺りよりこっち側には陸がなく、 水面に張った氷の上に雪が積もって同じ高さになったもの。 いわば、流氷が接岸している状態になっているわけだ。 その氷に穴をあけて、水中からアザラシが顔を出せるように なっているのだ。 自然界のアザラシも、氷の裂け目や穴から 氷上にあがるというから、うまく再現したというところだろう。 「ほら、出といで!」 魚の切り身で釣ってみよう。 「うーん、なんかされそうな気がする・・・。」 警戒してる? じーっと見てはいるけど、なかなか簡単には出てこない。 それでは、と穴に手を突っ込んで、 「観念しなさーい、えいっ!」 「わあっ、なにすんだよう! ひっぱるなよう!」 あ、だめだ、逃げられた。 でもやっぱり気になるのか、そーっと顔を出してみたりして。 |
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と、その直後! もう1頭のアザラシが、雪上に置かれた魚を狙って飛びついた、 と思った瞬間、 バリーン、ベシャッ! という大きな音が響き渡り 細かい雪の塊が爆発したように飛び散った。 何だ? いったい何が起こったっ?! |
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氷上にいた2頭のアザラシたちは、 一瞬、何が起こったのかわからずパニック状態に。 「わーっ!わーっ?!」 「びーち!びーち?!」 |
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なななんと、アザラシボディプレスの勢いで、突然、厚く張っていた氷が割れて落盤したのだった。 あぶねっ! 幸いにも(?)被害をこうむったのはアザラシ2頭(びっくりしただけ)と施設のフェンス(ちょっと網が壊れた)だけですんだのは奇蹟。 陸地側にいたスタッフも、目をまんまるくして固まっていたけど、あと1mもこっちに立っていたら水没してたかも・・・。 いやぁ、すごいタイミングに出くわしたもんだ!(氷が割れて落ちたのは、初めてだったんじゃないかな。マジで予想外だったみたい。) |
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「おぅい、ボク、どうやって出ればいいの?」 ・・・穴から水中に行けばいいじゃんよ。 |
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そんな予想外の出来事の最中に、熱愛発覚の決定的瞬間をキャッチ?! びっくりした拍子に、思わず固く手(ヒレ)を握り合ってしまった2頭。 これからの進展が楽しみです |
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上ではいろいろあったけど、水面下はのんびりしたもの。 ゴマフたちが気持ちよさそうにすーいすいと泳ぎ回っている。 水中側もテトラポット型の擬岩が沈めてあったりして、 水上と同じく漁港の風景を演出してあるのだね。 |
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こちらは日本初の試みで話題沸騰した、噂の「マリン・ウェイ」。 アクリル円柱の周りでは、アザラシが通るのを今か今かと 待ち受ける大勢のお客さんでぎっしり! アザラシが通るタイミングは事前に予測できないので、みんな 息をつめて見守っているのだが、これがそうそう通ってくれない。 そのくせ、なかなか来ないね・・・と緊張がフッと緩んだ隙を突くように サーッとアザラシが現れるものだから、その度に「わーっ!」と歓声を あげて大喜びしたり、「シャッターチャンスを逃した!」と悔しがったり。 これは、アザラシ側から見てても面白いかもね、人間ウォッチング。 |
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アザラシ館の出口に向かう通路の壁にも、 カラフルなアザラシたちの絵が楽しそうに泳いでいた。 さて、そろそろほかの動物たちにも会いにいこうかね。 |
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あざらし館からいちばん近いのは、ほっきょくぐま館。 隊長としては、シロクマは天敵なので避けて通りたいところだが、 旭山のウリの一つなので、とりあえず覗いてみることにする。 ・・・うわっ、いるよ、いる! しかも立ってやがる。 でけー?! |
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屋外にも別の超でかい奴がウロウロしているぞ。 雪の中からアクリルドームが頭を出しているが、 あれは流氷の穴から顔をのぞかせるアザラシを襲う シロクマの習性を利用したアトラクションである。 お客さんが下からドーム内に頭をつっこむと、 シロクマがエサと勘違いして飛びかかってくるらしい。 しかしこの人たちは、どこにクマがいるのかわかってない様子。 後ろからジッと見られているとも知らずにきょろきょろしている。 ああっ、言ってやりたい! 「しむらーっ!うしろ、うしろーっ!」 (「8時だョ!全員集合」のノリでね。) |
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さあ、ガンガン行くぞぉー! まずは、ヒグマ。 白くないヤツはギャラリーが少ないので、ふてて寝ているようだ。 続いて、レッサーパンダ。 これも丸くなって寝てやがる。 ちょっと触ってみたいフサフサ。 そして、ホッキョクギツネ。 こりゃもう白くでふわふわした物体としかわからーん! ちくしょー、顔を押し当ててモコモコしたいぞぉ!! |
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お次は、シロフクロウ。 こっちも白くてモコモコだぅ〜。 ふかふか羽毛であったかそう。 だけど、笑ってるんだか寝てるんだかわからない目つきが・・・謎。 白黒入れ替わって、クロヒョウ。 短い毛並みながら、ビロードみたいなツヤがあってきれい。 大きさを無視すれば黒ニャンコっぽいが、実はデカい。 そしてデカいだけじゃなくて獰猛。 とても飼えまへんにゃあ。 そして、ライオン。 って、ライオン?! ライオンって雪の中でも大丈夫なの? (おなかの下に温かいナニかがあるらしい。) |
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アムールヒョウ(左)とユキヒョウ(右)。 たしかにヒョウ柄だ。 アザラシを漢字で書くと海豹だが、 これはゼニガタアザラシやワモンアザラシの体の模様が ヒョウと同じ柄だから、この漢字が当てられたと思われる。 ということで、キミたちは今日から「陸豹」と名乗るがよい。 しかしユキヒョウの寝顔、ぶちゃいく〜(~o~)y |
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コンクリの壁に四角い窓がついているので、何が見えるのかと覗いたら、トラ! 向こうからも同じように覗いていたので、至近距離で目が合っちゃったぜ。 びっくりした〜! アムールトラはでっかい。 そして顔もでっかい! いったい何頭身なんだ、キミは。 |
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もうお昼か。 ちょっと何か食べたいなぁ・・・あ、これおいしそう! もぐもぐBOX(ロコモコ)には3種類あるけど、あざらしのがいいな。 でも、お昼時とあって、どこも家族連れで満席プラス待ち行列。 うーん、ここは我慢して旭川でおいしいラーメンを食べに行こうか? せめて写真だけでも撮っておこう。(→結局、食べず。) |
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バスに乗って、旭川駅に戻ってきた。 さすが旭川、昼間なのに寒ぅい! それにもうおなかぺっこぺこだよ。 あったかいラーメンが食べたーい! |
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今日の狙い目はここ。 旭川にこの店ありと聞く名店・梅光軒だ。(札幌ラーメン共和国にも出店していたぞ。) ちょっとわかりにくいビルの地下に降りていく。 む、午後1時すぎてもまだ待ち行列が残っているぞ。 でもこれは期待できそうなニオイ・・・何にしようかな? みそもいいけど塩も捨てがたいし、じゃあ両方? さあ来た来た、いただきまーす。 どれどれ・・・はふはふ・・・おーう、どっちもおいすぃ〜! みそはコクがあってパンチが効いてるし、塩もあっさりとみせて実に深い味を出している。 (塩ラーメンって、当たりハズレが大きいんだけど、ここのはほんとにおいしかった。 どっちも大当りね!) |
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さーて、おなかもふくれたことだし、旅を続けよう。 ここから宿泊地・トマムまでは、ローカル線の旅となる。 旭川から富良野線で富良野へ、 そこから根室本線に乗り換えて新得、さらに石勝線でトマムへと向かう道央縦走ルートだ。 雪に覆われたホームからラベンダー号に乗り込む・・・レールも雪に消えているが、大丈夫なのか? |
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上富良野駅〜学田駅の間(5駅間)には、10km以上も続く日本有数の連続直線区間がある。 前方には、まっすぐに伸びていく二条の線路があるのみ。 列車は雪煙を巻き上げながら、ひたすらにまっ白な大地を突き進んでいく。 |
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富良野の平原のまん中に、ぽつんと現れた小さなホーム。 西中駅だ。 ここは、隊長にとっては懐かしい場所である。 前回の北海道旅行時に、爽やかな風の吹き渡るこの駅で 記念撮影をした思い出が蘇る。(下の写真は7月の西中駅。) 今は雪と氷に閉ざされたこの大地も、夏には緑の草原になるのだ。 |
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珍名(?)が多い北海道の地名であるが、富良野線にも動物系の珍駅名が並ぶ。 鹿とセイウチで「しかうち」? 残念、「鹿討」と書きます。(左) ビーバーと牛で「びばうし」? 実は「美馬牛」で馬と牛でした。(右) |
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富良野に到着。 乗換えの新得行きの列車はもう隣のホームで待っているぞ。 もっとも、1両編成じゃ列車とは言わんか。 ワンマンのレールバス? |
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帰宅する学生さんに囲まれて座っているうちにウトウトしてしまった。 気がつくとすでに日は暮れており、ほどなく夜の新得駅に到着した。 ここからトマムへはたった1駅だが、この路線、普通列車は通らないので、特急おおぞら号を待つ。 |
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特急を待つ新得駅構内。 北国では日暮れとともに氷と闇の世界がやってくる。 凛とした冷気の中、凍てつくレールが灯火を受けて鈍く光る。 |
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今夜の宿泊先、アルファリゾート・トマム内のアイス・ビレッジに到着。 建物やモニュメント、天然の樹木までもがライトアップされ、漆黒の夜空と見事なコントラストを描き出している。 |
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アイス・ビレッジは、その名のとおり、すべてが氷でできている。 厳冬期限定でトマムリゾート内の一角に現れる、幻想の街だ。 ちなみに、内側から光っている半球状のドームは、中に入れる建物だ。 |
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アイス・ビレッジを見おろす小高い展望台には、氷のすべり台もある。 うまくスタートすれば、ダイナミックなハイスピード滑降が体験できるぞ。 なお、この場合、ふもとの雪に突っこむまで減速不能なので覚悟を! |
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ハート型のスノーポケットに入ってみた。 氷の中に電飾が埋め込まれているのだ! |
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熱気球に乗れるアトラクションを楽しみにしていたのだが、その日は上空の風が強いため中止になってしまった・・・残念。 おや? こんなところに氷のトンネルがある・・・どこへ続いているんだろう? |
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トンネルを抜けて進んでいくと、周囲を透明な氷柱に守られた青く光るドームがあった。 |
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そこは、氷の教会だった。 内部はロイヤルブルーの厳かな光に包まれた空間で、神聖な雰囲気で満ちている。 まるでRPGに出てくる、最果ての地に閉ざされた魔法の聖堂のようだ・・・氷で封印された王女が眠っているかも。 そうだ、ここで勇者の印をかかげ、氷の台座に聖剣を突き立てれば・・・?! |
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脳内ミニRPGも終わり。(無事に姫の封印を解いたらしい。) そろそろ閉村の時間だから、予約していたホテルに入ろう。 |
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ここが本日のお宿、氷のホテル。 もちろん、ほぼ全てが氷で作られたスペシャルホテルだ。 |
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入口を入ってすぐのフロント&ロビー。 フロントのカウンターも氷の切り出し。 ロビーの椅子も氷製。 この氷のホテルは、フロントのある小ドームと、宿泊スペースである 大ドームを連結させた作りになっていて、夕方〜夜のアイス・ビレッジ 開村時間帯には、一般客も見学ができるようになっているのだが、 それもこのロビーまで。 奥のドームへは宿泊客だけしか入れない。 だが、宿泊スペースは、ドーム1個=1部屋のみ・・・つまり、 ここに宿泊できるのは1晩につき、たった1組だけなのだ。 だから、シーズン・インと同時に宿泊予約受付が開始になると、 ほんの数日間でシーズン中の全日が満員御礼になってしまうという。 探検隊は予約開始日に電話をしたので、きっちり予約できたのだ。 ♪Goog Goog Job! |
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さあ、宿泊者の特権を行使して、奥のドームへ入っていこう。 さすがにドアとドアフレームだけは木製だ。(ドアノブはシカの角!) |
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ドームの壁から天井は、三角形の氷板をつなげてできている。 展開図を書けば、ちょうどサッカーボールのように 正五角形と正六角形の組合せになるようだ。 ドーム内側の面は、部屋の中の水蒸気が氷結してできた 氷の結晶で覆われており、光を受けてキラキラと輝く。 |
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フロントのあるドームに比べて、こちらのドームは大きくて天井も高い! 閉塞的な雰囲気はなく、むしろ2人で使うには広すぎるくらい。 室内装備はまさにスイートで、食事もできるダイニングセットや、 のんびりくつろげるソファまで、バストイレ以外は全てそろっている。 入口ドアからみて右側はパーティションに囲まれたベッドルーム、 左側にはダイニングセット、その奥にはソファセットが置かれる。 ドーム内はまるまる1部屋で、天井まで届くような壁はないが、 透明な氷を積み上げたパーティションが設けられている。 パーティションすらもアイスグリーンの光でライトアップされ美しい。 |
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ベッドは、円形に氷の台座が積まれたもの。 それにムートンを敷いた上で、寝袋を使うのだ。 ベッドサイドには化粧台まで置かれている。 鏡はガラスの本物だけど、氷と鏡の合わせ鏡みたいで不思議な視覚を感じる。 |
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ダイニングテーブルにキャンドルを灯してみる。 うん、いい感じ。 ドーム中央に置かれたオブジェは、まんまるなお月さんが 透明な三日月に包まれているみたいなおもしろいデザインだが、 明るいイエローの光が氷の世界にぬくもりを与えているようで良いね。 氷のソファでもムートンが敷いてあると、さして冷たくもなく意外と快適。 ちなみに、室温はマイナス7℃・・・とりあえずは防寒衣が必需品かな。 さあ、とりあえず温かいお茶でも飲みますか。 ポットから注ぐお湯もどんどん冷めていくような室温では、 ミルクティーから立ちのぼる湯気も心地よい。 ふぃ〜・・・。 |
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さっそく寝ようとしてるな? さんざん「寒いのはイヤだ!」とかゴネてたくせにさ。 なお、この氷のホテル、予約するには1つの前提条件があるのだが・・・、 それは当日にトマムリゾート内のいずれかのホテルにもう一つ部屋を確保していること。 つまり、どうしても寒くてリタイヤするときに帰れる部屋があること・・・が条件なのだ。 気象条件にもよるだろうがシーズン中何人かはリタイヤするそうだ。 もったいない!こんな快適なのに。(だが-7℃) |
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午後10時以降は、アイス・ビレッジ自体は閉村となる。 見学客はそれぞれのホテル部屋へ帰っていくし、スタッフも引きあげる。 すなわち、夜が明けるまでは探検隊だけがアイス・ビレッジの住人だ。 氷のホテル以外の明かりは落とされ、闇の中にホテルのドームだけが 明るく浮かび上がっている。 ・・・ポツンと置いてあるメロンパンみたい(^-^) |
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ひとりで展望台に登ってみる。 彼方にザ・タワー、ガレリアタワー(どちらもホテル棟)が見えるが、 このアイス・ビレッジ周辺には人っ子ひとりいない。 まさにいま、独り占め状態! |
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風はないが、暗い夜空からしんしんと雪が降りてくる。 現在、外気温-12℃。 これでも十分に寒いが、冷える日には-30℃を超える地域としては、今晩は暖かいほうらしい。 んー・・・ぶるぶるっ。 いつまでも眺めていたいのはヤマヤマだが、そろそろ寝袋にくるまって寝よう。 |
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夜明け前の景色が見たいがために、眠い目をこすって外へ出る。 ちょうど、白々と夜が明けようとしているところだ。 夜半まで雪を降らせていた雲が流れ、遠くから青空が広がっている。 これはいい写真が撮れそうだ。 |
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おや、誰もいないはずの展望台に人影が? なんでも、今日はちょうど良い天候なので、 来年用の広告ポスターに使う写真を撮るのだとか。 せっかくだから一緒に並んで撮らせてもらおうかねぇ。 |
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普段ならただ夜明けを待つだけのところ、撮影隊が来たおかげで特別にアイス・ビレッジ内のライトアップを開始! これって、超ラッキー?! ほのかに明るみ、雲が駆けていく黎明の空に、山のスカイラインがくっきり。 そして無人のアイス・ビレッジに火が灯っていく・・・これは、ミラクル! ファンタスティック!! |
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いよいよ陽も昇り、出発準備のため氷のホテルをチェックアウト、 ザ・タワーの上層階に取ってあった本来の部屋に戻った。 この部屋でも相当にいいロケーションなのだが、 単なる荷物置きとシャワールームとしか使わないのは ちょっともったいなかったような気もする・・・。 一晩過ごしたアイス・ビレッジはどこかと目を凝らすと、あった! ベージュ色の建物と手前の林との間付近がそうみたいだ。 ライトアップしていないと、ただのまっ白なエリアにしか見えない。 やはりあれは、冬の夜にだけ現れる幻想(ファンタジー)なのだね。 |