HONDA MOTOCOMPO



知る人ぞ知る、超ミニバイク「モトコ」ちゃんこと、「モトコンポ」である!
1981〜1985に生産(現在生産中止)されたもので、単体での販売はされず、ホンダの(かつての)
人気車・CITYのオプションとしてのみ入手可能であった。
写真の赤のほかに、白と黄が存在し、CITYの車体色にあわせて作られていた。
箱のような独特のデザインは、狭いCITYのトランクルームに横積みできるように設計された
ためであるが、愛嬌のあるスタイルが人気となり、今でも根強いファン層を持っている。


見た目は自転車以下のサイズであるが、49ccの
排気量を持つれっきとした第一種原付車である。
もちろん運転には免許が必要であるが、あえて
言うならば、「走らない」「曲がらない」「止まらない」
の三拍子そろったバイクを乗りこなすには、免許
以上の特殊なテクニックを要する。
特に流れの速い国道を走るには、度胸も必要となる。

・・・ほんとに。
・・・セパハンである。

それはともかく、モトコは小さい。
展開時でも1185mm(L)×535mm(W)×910mm(H)
収納時にはさらに240mm(W)×540mm(H)になる。
体重も45kg足らずであるため、大人1人で楽々と
持上げることが可能である。
モトコの得意技は、収納形態への変形である。
その変形タイムは、わずか1分足らずにすぎない。
それでは、そのプロセスを見てみよう。

「変形っ!」

シートを下げハンドルを倒してボディ内に収納したら
たたんであったカバーを展ばして被せる。
あとはステップを折りたたんだら変形完了だっ!
モトコのキャブレターやタンクは特殊形状をしており、
ガスを漏らさずに横倒し(右倒しのみ)が可能となっている。
上記の要領で変形させておけば、軽自動車の車内にも
すっぽりと収まるのである。

タンクは2.2L入りで、リザーブはなし。
だから、どんなに貧乏してても、堂々と
「ハイオク満タン!」と言えるのだ。
(左上)
「MOTOCOMPO」のロゴの下に、キャリングポイントが
見える。持上げるときはここを取っ手にしてつかむとよい。

(右)
モトコにのりっ☆
・・・誰だっ?ボリ○ョイサーカスとか言うのは?!

(左下)
誤った乗り方。 よいこはマネしちゃダメだよ。
右ハンドルバーにはオイル警告灯とスピード
メーターを装備しているが、オドメーターはなく、
今までに何キロ走っているのか全く不明。
出力2.5hpのエンジンであるが、変速機構がなく
エンジン回転=タイヤ回転となっているため、
直線をアクセル全開で突っ走っても、
せいぜいMAX42〜3km/hが限界である。
が、このボディバランスではその辺が無難か。

ハンドル上端にある歯車型ストッパーを回せば、
ハンドル全体が根元から折りたためるようになる。



モトコの取扱説明書の1ページ。
図中に「パーキングロック」なるモノが指示されているが、
その正体はフレーム内に収納された単なる「ワイヤー」である。
駐車するときは、盗んで乗っていかれないように、或いは抱えて持っていかれないように、
このワイヤーで電柱等にくくりつけておくのである。


00.12.16.up → 05.11.13.refine