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二見シーパラのセイウチは、プールにいるだけじゃないぞ。
入口を入ってすぐ、入場券売場真上の天井には、
カタロニア船に乗って旅する2頭のセイウチがいるのだ。
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おっとっと、のんびりしてるとさっそく午前のショーが始まっちゃうよ。
先頭切っての登場は、二見セイウチチームの総大将・ウッチーくん。
あいかわらず、ぼよ〜んとしてるのかキリッとしてるのかよーわからん表情。
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つづいては、副将・ひまわりちゃんが勢いよく登場・・・っととと、ブレーキ、ブレーキ!
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ステージへはひまわりちゃん&たんぽぽちゃんが景気よくラッパを吹き鳴らしながらの入場。
ぱふーーーぱふーーーっ!!
見かたによっては、ラッパにセイウチがくっついてきているようにも見えなくもないが・・・?
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ひま&ぽぽのダブル投げキッス。
たんぽぽも大きくなって、「ミニひまわり」になってきた。
だが、もはや「ミニ」というより「ひまわり2号」かな?
動きもそっくり!
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たんぽほは、やさしい目をしているねぇ・・・。 瞳も澄んでてきれいだし。
ほんと、かわいい娘に育ちました。
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ても、なんといっても二見のトップアイドルは
美人(美せいうち?)お姉さんのひまわりちゃん!
体全体にも表情がにじみ出るみたい。
↓BSデジタルのTV−CMで一躍有名になった
「ゴロ寝でテレビを見るおとーさん」のポーズ!
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もちろん、たんぽぽちゃんだって負けていない。
←体を左右に振って踊る「ぽぽダンス」や
↓「お願い★ぽぽちゃん」のポーズもGood! |
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さらにさらに、二見名物・あっかんべーアザラシのお株をうばうあっかんべーセイウチも!
もちろん、せいうちオリジナルの投げキッスもご披露。
・・・ん、んんん? たんぽぽ、ちょっと後ろ向いてみぃ?
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わははは、まーんまる! なんだかわからないけど、妙に笑えるシルエット!
しかも、毛が擦れないで残っている部分が「大八」ってなってるぞぅ!!
※セイウチの体は、元々1cm程度の短い毛で覆われているのですが、
動きが活発で地面などに擦れやすい場所は、毛が擦れて薄くなってしまい、
人間の肌のようにつるつるになってくるのです。
でも1年に一度、春〜初夏にかけての換毛期に新しい毛に生え変わります。
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そして、セイウチの頭には、「つむじ」ができることも?!
これはウッチーくんの頭頂部分。 ね、どまんなかに台風みたいな渦があるでしょ?
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ショーも終って、観客も潮が引いたようにいなくなった。
・・・とそこへ現れたのは、マカロニペンギンのブラウンちゃん?!
おーい、ひとりでドコ行くの?
そして立ち止まったその目が釘付けになっているのは・・・。
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せいうちプールで泳ぐたんぽぽちゃん!
「じぃーーーーーーっ。」
「な・・・なによォー・・・。」
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はいはい、お散歩はおしまいよ。
「えー、もう帰るのぉー・・・。」
「あ、いいないいな。ぽぽもだっこしてほしいな。」
・・・あなたは、ムリ!
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一方、こちらはミニプールでひとり
おくつろぎ中のすももちゃん。
後ろからの視線を感じたのか、
「なぁに〜?」とばかりにふりむく。
腸の弱いすももちゃんだったけど、
最近は肌にハリがでてきていい艶じゃない。 |
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すももちゃんのことを、みんな「強気」だとか「気むずかし屋」とか言うけど、
そんなことないんだよね。 ちょっとスキキライがあるだけだよね。
ほーらね、ちゃんとこっちに寄ってきてくれたよ。
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うん? そんなところでゴロンってなっちゃった?
どうした? 眠いのかな?
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「ふぁ・・・ふぁあああ・・・。」
これは珍しい、せいうちさんの大あくび!
むにゅうと開いた口の形が、なんともキュウト。
うん、寝なさい、寝なさい。 一日がんばったから、おネムだよね。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
日も西に傾き、まもなく閉館・・・という頃、探検隊を待っていたのは
とびっきりの超ビッグ・サプライズだった!
案内されるまま、とある飼育舎のドアを開ける。
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ここは・・・せいうち舎じゃないけど・・・、あ、あれ??
君たちは、だぁ〜れ?!
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ほこほこに乾いたおチビちゃんが2頭!! うひ〜、ちょーカワイイっ!
実は、2005年末にロシアから日本にやって来たのだが、引取先の水族館が決まらず、
「とりあえず仮に」・・・と、二見シーパラで預かり保育していた赤ちゃんだったのである。
えええ?引取り手がないんだったらうちの養子に欲しいくらいだよぅ。
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「うきゅ?」 「ぽ・・・。」
寝ていたところだったのかな?
まだ眠そうな目をしてるのに、出てきてくれたんだね。
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おー、あなた小さいのに、ぱっちりおめめの美人(美せいうち)さんですねー?
将来が楽しみですなあ。 売れっ子アイドルになれるよ、きっと。
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男の子のほうは、まだまだ眠そうな顔・・・限りなく半寝状態。
でも、性格的におっとりしていて優しそうな坊やだ。
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顔を近づけると、短いおヒゲをとんがらせて寄ってくる。
はい、こんにちは〜。 横浜から来たせいうち兄さんですよー。
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女の子のおヒゲの生えかたをよく見ると、見事なハート型
いやはや・・・なんともキュートじゃない。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
この秘蔵っ子の存在は、せいうち探検隊としても世紀の大・大・大スクープだったのだが、
諸々の事情があって、ニュース速報にあがることはなかった。
しかしその後、いろいろ経緯はあったのだが、この2頭は結局(・・・もしかすると予定どおりに?)、
ほかのどの水族館でもなく、当の二見シーパラダイスで引取ることになったのである。
よかったね!
・・・そして季節は巡り、初夏。
正式にセイウチ・チームの一員となった2頭に会うため、再び二見を訪れた。
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「あ、きたきた・・・待ってたよぉ〜。こっちこっちぃ!」
木の枠の間から顔とヒレを出して呼ぶくるみちゃん。
前に来たときには、こんな木枠なかったよね・・・?
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はいはい握手、握手。
「わーい!遊ぼ、遊ぼう?!」
うーむ、たしかに木の枠をつけなけりゃ外出てくな、この子。
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小っちゃいのに、美人顔。 セイウチらしからぬ流し目・・・。
この娘、タダモノではない?!
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「ねえねえ、遊んでー?」
目をキラキラさせて寄ってくる。
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よしよし、頭なでなでしてあげる。 いいこ、いいこ。
すると差し出した手を求めてチューチュー吸ってくる。
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うひゃひゃひゃ、ぞわぞわぞわ〜!
短くてツンツンしたおヒゲでゾリゾリしてくれる。
ホディブラシみたいで気持ちいい〜感触ぅ。
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なぜか、ちっょとおすまし顔してみたりして。
子供せいうちのおヒゲは、先がとんがっていてチクチクだ。
(最初に生えたまんまだから・・・大人のは先端から順に削れているくのでそれほど尖ってない。)
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「ねぇ、今日は一日いるんでしょ?なにして遊ぶ?」
くるみちゃんは、おしゃべり好きみたい。 さすが女の子?!
ちなみに、実際の声は・・・「ぽう、ぽうぽぽうぽーぅ!うぶぶぇぼぽぉう!」って感じ。
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奥にいるのは、男の子の伸助(のびすけ)くん。
女の子のくるみちゃんより一回り大きいかな。
彼はラグビーボールを捕まえるのに必死だ。 |
「おいしょっ!やっと捕まえた!」
よかったねぇ、のびちゃん。
ボールをヒレで抱えこんで水に沈める
・・・が、この3秒後、ボールに逃げられて
呆然とするのびちゃんの姿が・・・。(T∩T)
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「あれれ?別のせいうちのニオイがするよ??」
とばかりに、鼻の穴をおっぴろげて伸助くんも寄ってきた!
よっ!横浜のせいうちだよ! 覚えてる?
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ほかのセイウチたちとは体のサイズが
違いすぎるため、伸助くんとくるみちゃんは
2頭で小さいプールに住んでいるのだが、
ふたりはとってもなかよし。
一緒にばしゃばしゃ遊んだり、泳いだり。
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およよ。 ちゅ〜なんて、おませさん!
そういえば、幼稚園くらいの子って、やたらチューしたがるよね。
・・・だけど、この絵面(えづら)どっかで見たことあるような、ないような・・・?
あっ、わかった!!
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※そのとき思ったコトを再現してみた。 おーイエス!こんな感じ!
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たわしとたわしがちゅー・・・じゃなくって、まだやっとるんかいなっ!
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今日のメインイベントの時間がやってくるまで、ちょっと涼みに行こう。
伊勢名物・赤福さんの夏限定メニュー、「赤福氷」だ。
ちょっと濃い味の抹茶氷の中にあるお餅が、きゅきゅっとしてもちもちでうまー(*^o^*)
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伸助&くるみもスタンバイに入り、やっとお呼びがかかったよぉー。
そうです。メインイベントは、セイウチのパパ体験でアリマス!
すももとたんぽぽの時に体験済みではあるけれど、
この期間限定スペシャルイベントを外せますかっ?てなもんだ。
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まずは、待っている2頭のために、おみやげ代わりのお食事作り。
エスビラック(動物用の粉ミルク)を熱湯でダマにならないように
よーく溶いてから、適温になるまで冷ましていく。
現地に持って行くまでにちょっと冷めるから、ここでは45℃になっていればOK。
ミルクの準備ができたら、濡れてもいい服装に着替えて、さぁ行くよっ!
(普通のヒトには上下とも合羽を貸してくれますが、さすがにせいうちサイズはないので着用せず。
もちろんそれを見越してTシャツと自前のズボンを持参したんだけどね。そのぶん思いきって遊ぶぞっ!
・・・後にも先にもウェア持参者はひとりしかいなかったらしいけど。)
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はーい、おまたせ、おまたせ。
待っていておナカすいたでしょ?
まずは一杯あけちゃっておくんなせぇ。
はい、ぐぐーっとね。 |
おうおう!さすが男の子!
いい飲みっぷりだねぃ。
800ccをものの10秒ほどで飲んじゃった。
・・・そんな吸っても、もうないよ。
ぜんぜん足りない? |
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それじゃあ、小さく切ったお魚をあげようね。
ちょっとずつあげるから・・・あっ吸っちゃった。
切り身をつまんで差し出してあげると、
業務用強力掃除機バリの吸引力で
しゅぽん!と吸い込む。
はい。 しゅぽん!
ほい。 しゅぽん!
それ。 しゅぽん!
フェイントで魚なし。 ちゅ〜ううぅぅぅ(-ω-#)
あははは、ごめんごめん! |
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ごはん食べながら、芸のお稽古もしなくちゃね。
はい、いっしょに「やぁー!」
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右手を出したら、握手だよね。
よし!よくできました!
(指示どおりにうまくできたら、「よし!」と
ちゃんと褒めてあげることが大切なのだ。) |
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さあ、ごはんも終ったし、思いっきり遊ぼうか?!
そーれ、転がしてやるぞー! ごろごろごろ・・・。
「きゃっきゃっ!」
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「のびちゃん、あーそーぼーうーぜえぇぇぇ。」
「な、なんだよぅ・・・勝負すんの?」
「おーし、かかって来ぉいっ!」
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ジリジリと間合いをつめる伸助。
ウエイトはほぼ互角・・・先に仕掛けるのは、どっちだ?!
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がっっ!!
がっぷりと組み合うセイウチとセイウチ! 盛りあがる筋肉(?)!
勝負の行方や如何にっ?!
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パワーでは伸助に軍配!
「どぉだっ? ボクの勝ちだね!」
うまく上からヒレで押さえつけられたっ!
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しかし、一瞬の隙をついてバックに回り込み、
伝家の宝刀「S.S.H.(セイウチ・スリーパー・ホールド)」が炸裂!
「おりゃあぁぁっ! ギブアップせい!」
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「わわわ、やばいやばい・・・。」
ロープブレイクならぬウォーターブレイクを狙って伸助選手、逃げる逃げる!
びっちんびっちん前進するパワーは強烈で、さしもの必殺技もすっぽ抜け・・・。
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「あー、危なかった・・・。」
プールに逃げ込み、勝負はドロー。 |
「あはは、もう終わりかい?」
「ふぅ〜、プロレスはもういいよぅ。」
「じゃあ、別なことして遊ぼうか?」 |
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「よしっ、じゃあ上がっておいで。」
両者、健闘を称えあって握手!
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ところでくるみちゃん、何やってんの?
タイヤの中に何かあるのかな? 水が入っているだけみたいだけど・・・。
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とりあえず、一緒になって頭をつっこんでみる。
「ぶくぶくぶくぶくー・・・。」
「あひゃひゃひゃ〜・・・。 こりゃおもしろいや!」
・・・実際のところ、ただの水がたぷたぷしているだけなんだけどね、
こうやってセイウチ同士で頭をつっこんでもそもそしているだけで
なーんか、めちゃめちゃ楽しい気分になるから不思議だ。
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あまりにも楽しそうにしているので、伸助くんも寄ってきた。
「ねぇねぇ、ボクもまぜて〜。」
OK! おいで、おいで。
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「な?楽しいだろ?」
「うん・・・よくわかんないけど、楽しい・・・かな。」
ほんと何が楽しいのか意味不明なんだけど、楽しいんだな、これが。
セイウチと一緒に過ごせる「至福の時間」が凝縮されているのかも。
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「なー、のびちゃん!」
「むにゅ〜・・・。」
セイウチに頬ずりすると、ジョリジョリであ〜る。
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楽しい時間は、あっというまに過ぎていく。
それじゃあまたね、のびちゃん、くるみちゃん。
「えー、もうおしまいなの?」
うーん、そんな顔しないでよ、くるみん。
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パパ体験イベントも終わり、着替えて戻ってくると、ミニプールで2頭が待っていた。
「まだ遊び足りないよねえ・・・。 また大きいせいうちさん来てくれないかなぁ。」
はいはい、また来ましたよー。
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「あ、ほんとに来た! やったあ。」
くるみちゃんが気がつき、すぐに近くまでやってきた。
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「ねぇねぇ、もっと遊ぼ?」
柵があるから手しか入れられないんだけど、差し出した手に吸いついてくる。
セイウチには鋭い歯がないので、はむはむされてもぜんぜん平気。
もっとも甘噛みみたいにやさしく「あむあむちゅうちゅう」してくれるので、むしろ気持ちいい〜。
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あれ?くるみちゃんは「べぇ〜」もできるの? すごいじゃん!
すぐにもショーデビューできそうだね。
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ショーといえば、トップアイドルはやっぱりひまわりちゃんだよね。
ちゃんとお座りして、投げキッスができまーす。「チュッ 」
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こっちは、たんぽぽちゃんが特訓中。
「いい?ちゃーんと言うこと聞いてなきゃダメよ?」
「はーい・・・。」
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「じゃ、伏せしてこっちにカメラ目線!」
「きゅっ!」
「はいOK。 よくできました。」
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「あ〜よかったぁ。 うまくできてホッとしたわぁ。」
気が緩んだ表情もナイスだよ、ぽぽちゃん。
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とつぜんですが、クイズです。
このびたびた濡れた跡は、な〜んだ?
足跡? だとしたら、でっかすぎない? |
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正解は、すももちゃんの歩いた跡でした〜。
這わずにちゃんと四本のヒレで歩いたので、
おなかの跡はつかずに、ヒレの形どおりに
跡が残っていたのだね。
「ここは拍手するトコよー。」
いえーい! パチパチパチパチ。 |
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はぁ〜・・・、すっかり堪能した後の帰り道は、ドッと疲れが出ちゃうよね。
今日はちょっとゼイタクに、グリーン車に乗ってみよう。
わぁい! せいうちでもゆったりのシート幅でくつろげるねー。 ・・・ぐー。
(感激してたのは最初の数分だけで、すぐに気持ちよく寝入ってしまったため、後の記憶ナシT_T)
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「バイバイね!」
のびちゃんが、最後のごあいさつ。
小さくだけど、ちゃんと右ヒレを振ってくれているのがわかるかな?
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