慶應義塾高校、甲子園へ!

05.03.31.up



わが母校・慶應義塾高等学校が、甲子園に!!
慶應義塾高校野球部が、第77回選抜高等学校野球大会(春のセンバツ甲子園)に神奈川県代表として出場!
甲子園への出場は、なんと1960年以来の45年ぶり! 我々の世代にとっては初出場に等しい快挙である。
塾高(じゅくこう〜慶應義塾高校のこと)のOBとしては、ここは一丁、応援に馳せ参じぬわけにはいくまい。
高校+JTB主催の応援ツアーの席をキープし、いざ甲子園球場へ!


新幹線・ひかり号が新横浜駅に入線してくる。

第1回戦は大会初日3月23日、開会式後の
第3試合、開始は15:20の予定である。

指定の新幹線に乗れば、昼前には大阪に
到着できるはずだ。
新横浜駅の特設デスクで、
切符と応援グッズを受け取る。

道中で折れ曲がってしまわないように、
受領してすぐに帽子を組立ててしまおう。

早慶戦でおなじみのトンガリ帽子を手に
早くもテンションはヒートアップ!

新幹線に乗る前からこの有様・・・?!


・・・ところが、そこへ急な知らせが。
前日から懸念されていた関西地方の天候は、回復の兆しなく
本日は開会式のみの開催で、試合は明日に延期との決定である。
が〜ん。 いまさら切符はキャンセルできないし、いったいどうしろと?
ええい、ここまで来たら行くしかないか!
今日は先乗りして大阪で一泊だ! どうせ明日も休みだい!




こうなると、昼前に大阪に着いてしまっても
やることなんかありゃしない。
まして野球が中止になるくらいの大雨ですよ。

まあいいや。
街中をブラブラしててもしょうがないし、
普通なら行きそうにないところにでも
行ってみようか。

梅田から阪急電車、大阪モノレールと
乗り継いでいく。

・・・ということで、向かった先は万博公園。
駅からも、「太陽の塔」が見えるぞ!

ところで、この塔には表の上下2つだけではなく
裏側にも顔があるのって、知ってましたか?
表側は高速道路からも見えるし有名ですが
裏には黒い太陽の顔があるのですねー。
こっちのほうが趣きがあって芸術的かと。
(ちなみに黄金の顔の目は光る。目からビーム?!)

それにしても岡本太郎ってやっぱり偉大だな〜
はたしていまの日本にこれだけのモノを
作れる芸術家がいるだろうか? 感服!

太陽の塔・正面

太陽の塔・背中(?)


万博公園に隣接するエキスポランド(遊園地)では
ガンダムワールド2005が期間限定で開催中。
ここは押えておく必要があるな、と。
(最初っからココが目的だったとのウワサもあるが)

1/6スケールのジオラマなどの展示もあったが
お気に入りはコレ!
ゼータガンダムの1/1コクピットシートだ。
MS操縦は男のロマンだぜーっ!


その夜は、高校時代からの友達とウマい焼肉屋へ行ってジュースィなお肉を堪能。
 あー、いつ来ても大阪はオイシイなぁ・・・。

      



さてさて、一夜明けた3月24日は朝からいいお天気。
午後からは雨っていう予報なんか、当たりそうにないね。
ポカポカ陽気の中、阪神電車に揺られて甲子園駅へ到着。


ついにやって来た! 高校野球の聖地・甲子園球場!
蔦が絡まる円筒形のスタンド建物が歴史を感じさせる。


バックネット側の玄関には、「第77回センバツ高等学校野球大会」と掲げたアーチが。
記念写真用に、開会式に使用した各校のプラカードを貸し出してくれるのだ。


駅から球場へ向かう途中、道沿いに
土産物屋が立ち並んでいるのだが、
その中に「日吉食堂」なる店を発見!

塾高の所在地(横浜市港北区日吉)の名を
冠した店があるとは縁起がいいね!
1塁側アルプススタンドの入口に着いたぞ。
早めに到着したことから、前から3列目に
並ぶことができた。(全員、入れるけどね)

グラウンドでは第2試合が行われているが
まだ中盤戦にさしかかったばかりの模様。
ちょっと息を抜いて待つことにしよう。
・・・とは言いつつも、球場内から聞こえてくる
歓声や応援歌を耳にしていると、否が応でも
だんだんと気分が高揚してくる。 シャ〜っ!

いよいよ前の試合も9回にさしかかり、そろそろ
入場準備を・・・と思って後ろを振り返ると!!!
わっ!すごい大行列になっているじゃない?!
これがみんな同じ学校の先輩後輩かと思うと
懐かしさにも似た感動が湧いてくる。
よーし、これなら絶対に応援でも負けないぞ!
向こうでは、現役学生の応援団が集結中。
慶應女子高のバトン部が華を添えるぞ。
(塾高は男子校なので、應援指導部しかいない)

現役の塾高應援指導部は人手不足とのことで
OBである慶大生が助っ人に来てくれている。
試合開始を前に、準備に走り回る学生たち。
裏方もたいへんだろうけど、がんばれよっ!


初めて入った甲子園球場内。 外野席からダイヤモンド方向を見渡す。
さすがに「広い」の一言。 まだ春先というのに青々とした芝生が気持ちよい。


こちらはライト側外野席から1塁側アルプススタンドを眺めた1枚。
各校趣向を凝らした人文字が浮かび上がるところであるが、
今日は「ブルー レッド アンド ブルー」の三色に染めてやるぞ!


グラウンド整備も終り、まもなく試合開始だ。
左右に全出場校の校旗を従えたバックスクリーン上には、国旗、大会旗、毎日新聞社旗、
そして両サイドには本日の対戦相手・関西(かんぜい)高校と、三色のわが塾旗が翻る。
上空には強風が吹きつけているのか、全ての旗が力強くはためいている。


ダッグアウトから両校の選手が飛び出してきた!
ホームベースを挟んで礼を交わしたら、いよいよ戦いの火蓋が切って落とされる。


相手校の関西高校(岡山県)は秋季中国大会の準優勝校。
投打とも兼ね備えた好チームで、侮りがたい強敵だ。
試合は初回から激しい点の取り合いとなり、慶應のエース中林は打たせて取るスタイルながら
毎回ランナーを背負う大苦戦、少しでも応援で後押ししてやらなくては!


アルプススタンドを埋め尽くした慶應の大応援団。
きっと全国から塾生が駆けつけたに違いない。
慶應に得点が入るたびに、甲子園に応援歌「若き血」が響き渡る!

「若き血」
♪若き血に燃ゆる者 光輝みてる我等
希望の明星 仰ぎて此処に
勝利に進む我が力 常に新し
見よ精鋭の集う処
烈日の意気高らかに 遮る雲なきを
慶應 慶應 陸の王者 慶應


今年の慶應打線は、ホームランバッターこそいないものの全員がアベレージヒッターで
いつ、どんなタイミングからチャンスが発生するかわからないというマシンガン打線。
ツーアウトでもまだまだこれから・・・そら、センター前ヒットが出たぞ!
それにあわせて応援歌も変化する。 「突撃のテーマ」から「コールKEIO」、そして
ファンファーレも高らかに「ダッシュKEIO」と続く黄金パターンが俺の血を熱くする!!

「突撃のテーマ」
♪パパーラパラララパーラー パパーラパーッパラパパッ (Go!Go!Go!)
パパーラパーララパーラーラー パッパラパーパッパラパー (選手名)!
パッパラパッパッパー パーパラパパー パパーラパーッパラパパッ (Go!Go!Go!)
パッパラパッパッパー パーパラパパー パパーラパーパーパー
→「コールKEIO」
ソリャK! ソリャE! ソリャI! ソリャO!
ソリャK!E!I!O! K・E・I・O・慶應!
→「ダッシュKEIO」
♪パララパッパパー(慶應!) パララパッパパー(慶應!) パララパッパパー(慶應!)
パーパラパッパーパパーッ パパパ
♪チャンスだ打てよ チャンスだ打てよ チャンスだ打てよー!
かっ飛ばすぞ!(オー) かっ飛ばすぞ!(オー)
勝つぞー 勝つぞー 慶應!!
チャンスだ打てよ チャンスだ打てよ チャンスだ打てよー!
かっ飛ばすぞ!(オー) かっ飛ばすぞ!(オー)
勝つぞー 勝つぞー 慶應!!

※注:早慶戦用の「ダッシュKEIO」は♪早稲田を倒せ 早稲田を倒せ 早稲田を倒せー!ですが
高野連等から指導の、相手校を誹謗するような文言は使わないとの約束事項により
「○○○を倒せ」ではなく「チャンスだ打てよ」に歌詞が変更されています。



試合直前に上空を巻いていた強風は嵐の前触れだった!
試合開始とほぼ同時に全天を黒雲が覆い、雨粒が落ち始めたのだ。
その後も雨足は弱まることなく、激しい豪雨となって球場を襲う。
途中、激しい降雨のため一時中断となったりもしたが、なおも試合は続行、
ぬかるむグラウンドに選手たちのファイトが激突する!
もちろんアルプススタンドも、ずぶ濡れのまま応援の声を絶やさない。
行け、慶應! 嵐の中にはためく三色旗の下に、その力を示せ!


初回に先行されればすぐさまその裏に同点とし、3回には1塁ランナーがディレイドスタートして
キャッチャーの注意を惹く間に、3塁ランナーがホームスチールに成功!
鮮やかなダブルスチールで逆転に成功すると、その後の連打で突き放す。
じりじりと追いすがる関西に7回には逆転を許すが、すぐさま連打で再逆転。
だが「このまま勝ってくれ」との願いは叶わず、8回に粘られ再度同点に・・・。
そんな激戦に終止符を打ったのは、9回裏1死満塁で登場した代打・新谷選手。
渾身の打球は内野手の頭上を越えセンター前へ!
9回表の満塁ピンチを0点に抑えた後のラストチャンスをものにした、
まさに、まさに、劇的なサヨナラ勝ちである!!

決勝の瞬間、スタンド上空にはトンガリ帽子が花吹雪のように舞い、
甲子園を揺るがす勝利の雄叫びが挙がる! ウオオオオッ!!
筆者も、最後まで声を張り上げていた應援指導部員とハイタッチ!
共に抱き合って喜びを分かち合ったのであった。


試合終了のサイレンが鳴り響き、慶應の選手がホームベース上に整列。
そして45年ぶりの校歌(慶應義塾塾歌)が流れ、塾旗がパックスクリーンに揚がる。
起立して斉唱する応援席のOBたちの目には、ただ涙、涙、涙・・・。
なぜか熱いものがこみ上げてきて、止まらない。 本当に嬉しいよ!

「慶應義塾塾歌」
♪見よ 風に鳴るわが旗を
新潮寄するあかつきの 嵐の中にはためきて
文化の護りたからかに 貫き樹てし誇りあり
樹てんかな この旗を 強く雄々しく樹てんかな
あゝわが義塾 慶應 慶應 慶應


アルプス前まで駆けてくる選手たち。
もちろんスタンドは全員でスタンディングオベーションだ。
帽を振る選手に、惜しみない拍手が浴びせられる。
よくがんばったね! おめでとう! おめでとう!


興奮も冷めやらぬまま列車に駆け込み、帰途に就く。
試合がだいぶもつれた影響で、帰りの足が心配されたが
タイミングよく東京行きのぞみ号の指定席を確保できた。
濡れて冷え切った体であったが、車内の暖房と勝利の余韻に包まれて
心地よい眠りに誘われてゆく・・・。


その晩のスポーツニュースでは、嵐の大激戦を各社トップで報じていた。
長駆帰宅してからも、各チャンネルのビデオ録画に大忙しだ。


今回の観戦ツアーのおみやげ品はコレ。
まずは、ペンの徽章に慶應義塾高校の文字が躍るペナントだ。
いまどきペナント?と言うなかれ。 甲子園出場校だけに許されたこのペナントは
甲子園みやげの定番中の定番だそうである。(初めて行ったので知りませんでした)
そして、第77回センバツの記念ボールにも出場校の名が記されている。
せっかくなので、勢いでディスプレイケースも購入してみた。



足掛け2日間にわたった応援旅行であったが、劇的な勝利で疲れも吹き飛んだ。
これまでは県内の強豪に阻まれて甲子園出場はご無沙汰であったが
今回の初戦で、その実力がフロックでないことを証明できたはず。
「Enjoy Baseball」の部訓どおり、のびのびとしたプレイで旋風を巻き起こしてくれよ!
そして、できれば・・・あと何回かでも、塾歌を聞かせてくれたら、うれしいな。
がんばれ!塾高! ダッシュ!ダッシュ!ダッシュ! K E I O!!

05.03.25.記




3月29日に行われた第2回戦は、強豪・福井商業戦。
1回戦を9-0の圧勝で突破してきた投打とも優れた好敵であったが、みごと3-1でこれを撃破!
エース中林の好投に応え、打線が援護射撃。 2死ランナーなしから得点するなど、
「決してあきらめない」ナインの気持ちが掴みとった勝利であろう。
これで45年前に並んでベスト8進出が決定。
さあ、いまこそ若き力で時代を塗り替えろ!

05.03.29.追記